京都で外国人観光客に大人気のスポット。
それは稲荷神社の代表として有名なのが京都にある伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)。
鳥居のチューチュートレイン状態とも言いますか、無限鳥居地獄ともいいますか、ズラーッと並んだ鳥居はとっても写真ばえすると評判で、多くの観光客に人気の京都を代表する観光地の一つとなっています。
早朝の伏見稲荷に行くと見られる景色が素晴らしい。 pic.twitter.com/c0t92sGzM0
— Mizuki Tanaka (@tm_9729) May 23, 2021
全国には神社が8万社以上あるそうですがそのうちのなんと3万社以上が、稲荷神社だそうです。そしてこの伏見稲荷がその総本山となるのです。
また「稲荷神社」といえば、キツネというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
私も稲荷神社へ行ったら、キツネの神様の好物である油揚げをお供えした経験があります。
しかし、キツネが稲荷神社の神様ではありません!
私たちが稲荷神と呼んでいるのは、伏見稲荷大社に祀られている「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」という神様です!!
この記事では、宇迦之御魂大神が祀られている伏見稲荷大社の魅力を徹底解説します。
歴史や見どころ、お稲荷様と呼ばれる神様についても紹介しましょう。
これを読めば、あなたも伏見稲荷大社の魅力を知ることができますよ。
伏見稲荷大社の歴史
伏見稲荷大社は、711年に日本古代の豪族である秦伊侶具(はたのいろぐ)によって建てられました。
伏見稲荷には都が平安京へ移る前の、山城国の文化や地理状況などが記録されている書物の山城国風土記には「もちと白鳥の伝説」が残っています。
「もちと白鳥の伝説」とは、秦伊侶具がお餅で作った的に弓を当てたところ、宿っていた神霊によってお餅が白鳥に変わり近くの伊奈利山へ飛び立ち、白鳥が降り立ったところに稲が実ったというお話です。
この神霊を祀るため秦伊侶具によって建てられた神社が、京都にある伏見稲荷大社です。
山城国風土記には「伊奈利(いなり)」と書かれていますが、平安時代初期になると現在でも使われている「稲荷(いなり)」と書かれるようになります。
伏見稲荷大社は、942年には神社で最高の地位といわれる「正一位」になります。
つまり、伏見稲荷大社は942年にすでに国宝級の有名な神社だったということです。
そう考えると、とても偉大な神社だということがわかりますね!
しかし、伏見稲荷大社は1467年に起こった応仁の乱により焼けてしまい、ほぼ壊滅状態になってしまいます。
稲荷勧進僧(いなりかんじんそう)という、稲荷神社のご利益などを人々に伝える集団が伏見稲荷大社の修復費用の寄付を募ったおかげで1499年には、伏見稲荷大社が再び建ったのです。
そして1909年には、伏見稲荷大社の本殿が国の重要文化財に指定されます。伏見稲荷大社は、1000年以上前から偉大な神社ということで人々から信仰されていたのです。
そんな伏見稲荷大社には、どんな神様がいるのでしょうか。
次は、伏見稲荷大社に祀られている神様をご紹介しましょう。
伏見稲荷大社に祀られている神様(御祭神)
伏見稲荷大社には
- 宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
- 佐田彦大神(さたひこのおおかみ)
- 大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
- 田中大神(たなかのおおかみ)
- 四大神(しのおおかみ)
の5人の神様がいます。
この5人の神様をまとめて、稲荷大神と呼びます。
では、それぞれの神様についてご紹介しましょう。
伏見稲荷の御祭神①宇迦之御魂大神
主神、つまり伏見稲荷大社に祀られている神様のリーダーです。
稲荷神社の神様のことを「お稲荷様」と呼ぶ人が多いですが、実は宇迦之御魂大神のことをいいます。
日本書紀によると宇迦之御魂大神は、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)が食べ物がなくなり飢えているところに生まれた神様といわれています。
ちなみに伊邪那岐神と伊邪那美神とは神様であり、2人が夫婦になったため日本という島ができて、たくさんの神様が生まれたのです。
宇迦之御魂大神は女の神様だと考えられており、名前にもある「ウカ」とは、穀物や食べ物を意味しています。
そのため、五穀豊穣や商売繁盛の神様と呼ばれているのです。
伏見稲荷の御祭神②佐田彦大神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、天界から地上へおりた時に地上を案内したのが佐田彦大神といわれています。
物事のはじまりを導いたことから開運、交通安全の神様と呼ばれているのです。
伏見稲荷の御祭神③大宮能売大神
宇迦之御魂大神とかかわりが深い神様といわれています。
調和を図る神様であることから、家内安全や商売の神様とも呼ばれているのです。
伏見稲荷の御祭神④田中大神
田中大神が、伏見稲荷大社に祀られるようになった理由ははっきりされていません。
しかし、その名の通り「田の神様」ではないかといわれていることから、伏見稲荷大社の土地を護る神様など、何かしらかかわりが深い神様です。
伏見稲荷の御祭神⑤四大神
秦氏一族が古くから祀ってきた神様だといわれています。
田中大神と同じく、伏見稲荷大社の土地を護る神様など、何かしらかかわりが深い神様です。
稲荷大神と呼ばれる5人の神様が祀られているため、伏見稲荷大社には商売繫盛や家内安全などさまざまなご利益があります。
次は、伏見稲荷大社の見どころをご紹介しましょう。
伏見稲荷大社の見どころ
歴史ある伏見稲荷大社には、さまざまな見どころがあります。
その中でもとくにおすすめする、伏見稲荷大社の見どころを3つご紹介しましょう。
伏見稲荷の千本鳥居
伏見稲荷大社の見どころといえば、やはり「千本鳥居」でしょう!!
奥社奉拝所へ向かう道が、千本鳥居です。鮮やかな朱色の鳥居が、トンネルのようにつらなっているため、幻想的な空間を歩いている気分になります。
古代より朱色は、魔除け意味する神聖な色です。
ちなみに千本鳥居は、名前の通り1000本の鳥居があると思ってしまいますよね。
しかし、実は鳥居が1000本あるというわけではありません。
「ないんかーい!」と思わず突っ込んだあなたは、正解です(笑)
数えられないくらい多い鳥居という意味で、千本鳥居と名付けられたといわれています。
また実はこの伏見稲荷にはめずらしい鳥居があるんです。それはこちらのエントリーをチェックください!「鳥居とは?」
おもかる石
次は、願い事が叶うかを占える「おもかる石」です。
おもかる石は奥社奉拝所にあり、灯篭の前で願い事をいいながら上に乗っている丸い石を持ち上げ、持ち上げた石が軽いと感じれば願い事が叶うといわれています。
伏見稲荷大社を訪れた時は、おもかる石を持ち上げに行くことをおすすめします。
軽いかドキドキしながらおもかる石を持ち上げることも、伏見稲荷大社を訪れた時の楽しみといえるでしょう。
楼門
1589年に、豊臣秀吉(とよとみひでよし)が建てたといわれる「楼門」は国の重要文化財に指定されています。
秀吉の母が病気でかなり危険な状態だったため、秀吉が母の病気が治ることを伏見稲荷大社で祈ると、奇跡的に秀吉の母の体調がよくなったことから感謝の気持ちをこめて楼門を建てたといわれています。
伏見稲荷大社には、見どころが満載です。ぜひ、伏見稲荷大社を訪れた時は、おすすめスポットを見に行きましょう。
魅力を知ることで、さらに歴史を感じることができますよ。
次は、伏見稲荷大社のご利益についてご紹介しましょう。
伏見稲荷大社のご利益
伏見稲荷大社は、古くから五穀豊穣、商売繫盛、家内安全、諸願成就のご利益があるとされています。
稲荷神、つまり宇迦之御魂大神が食べ物の神様といわれていることから、五穀豊穣がもっとも代表的なご利益です。
五穀とは主食となる米、麦、栗(あわ)、豆、黍(きび)の穀物のことをいい、豊穣は穀物が豊かに実ることを意味します。
江戸時代に幕府の改革などで有名な田沼意次が自分の屋敷に、お社を祀ったことにより運が開けたという噂が町中に広まり、武士や商人たちが田沼意次を真似てお社を祀ったことから、商売繫盛や家内安全の神様として信仰されたといわれています。
伏見稲荷大社に行くと、さまざまなところで見かけるキツネの像。キツネは神使と呼ばれ、神様の意思を伝える役目を担っているといわれています。
ちなみに稲荷神に油揚げをお供えする習慣は、神使であるキツネの好物であることが由来です。
まとめ
1000年以上の歴史を持つ伏見稲荷大社。
稲荷神=キツネと思っていた人もいるのではないでしょうか。
キツネは神使であり、稲荷神は宇迦之御魂大神のことをいいます。
歴史ある伏見稲荷大社は、見どころ満載です。
とくに千本鳥居は、幻想的な空間を歩いている気分になりおすすめですよ。
伏見稲荷、千本鳥居。
聞こえるのは雨音と足音だけ。 pic.twitter.com/o2fWok3TaD— Hino@hi-photography (@hiphotography1) May 13, 2021
夜の伏見稲荷
Night in Kyoto pic.twitter.com/bMO8LwsDxt— SONO (@haletoke) May 4, 2021
伏見稲荷大社の歴史や祀られている神様を知ることで、一層ご利益にあやかれるでしょう。
ぜひ、古くからご利益があるといわれている伏見稲荷大社を訪れてみてくださいね。
伏見稲荷大社のデータ
伏見稲荷大社の創建年
711年
伏見稲荷大社のご祭神
宇迦之御魂大神、佐田彦大神、大宮能売大神、田中大神、四大神
伏見稲荷大社の住所
〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68
伏見稲荷大社の電話番号
075-641-7331
伏見稲荷大社へのアクセス
電車:JR奈良線 「稲荷駅」から徒歩5分
京阪本線 「伏見稲荷駅」から徒歩5分
バス:南5系統 「稲荷大社前」から徒歩7分
伏見稲荷大社の駐車場
伏見稲荷大社 参拝者用駐車場「境内無料駐車場」175台