「日本には『八百万(やおよろず)の神』がいる」ということを聞いたことがありますか。
神様が800万もいらっしゃるってこと?
ちょっと違うんです。さまざまな神様がたくさんいらっしゃることを意味します。仏教では「千」というのが数の多さを示しますが、神道の場合は「八百万」なんですね。スケールでかっ!
この言葉から、神様がお住まいになる神社の数も多いことが想像できますね。
日本各地にはコンビニもたくさんありますが、神社とコンビニとどちらが多いと思いますか。
全国にあるコンビニの数は、約55,000店舗。(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会/コンビニエンスストア統計データより)
神社の数は、80,000社以上です。
神社の方がずっと多いんですよ。
では、日本で神社の数が多い都道府県はどこだと思いますか。ちょっと考えてみてください。京都?奈良?・・・??
正解は・・、ぜひ、この記事を読んでみてくださいね。
神社が多い都道府県ベスト5と、1位の県に神社が多い3つの理由をご紹介します。
そして、最後にいっしょに少し考えてみましょう。
神社の多い都道府県ベスト5
政府統計のポータルサイト「e-Stat」が集計した「宗教統計調査」に基づいたランキングです。神社は全国に8万1074社あり、そのうちのベスト5です。
各県の有名な神社も簡単にご紹介します。
第5位:岐阜県(3268社)
「伊奈波(いなば)神社」:周りを山で囲まれた静かで美しい神社です。
「日枝(ひえ)神社」 :高山祭りで有名です。「君の名は」のモデルにもなりました。
第4位:愛知県(3358社)
「熱田神宮(あつたじんぐう)」:天皇が持つ三種の神器(さんしゅのじんぎ)の1つ草薙 の剣(くさなぎのつるぎ)を祭っています。
「豊川稲荷(とよかわいなり)」:商売の神様が祭られていて、日本三大稲荷の1つに数えられています。
第3位:福岡県(3419社)
「太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)」:学問の神様が祭られていて、全国的に有名。 受験生に大人気です。
「恋木(こいのき)神社」:恋の神様が祭られています。神社内に多くのハートが隠されて
います。
第2位:兵庫県 (3867社)
「生田(いくた)神社」:縁結びの神社。水に浮かべる水みくじがあります。
「西宮(にしのみや)神社」:毎年、新年に「福男」が選ばれるイベントで有名です。
第1位:新潟県(4711社)
「彌彦(やひこ)神社」:縁結びや仕事運にご利益があり、全国からの参拝客が絶えない
ことで有名です。
「藤基(ふじもと)神社」:ひもを結ぶことによって、さまざまなご縁を結べることで有名
です。
なんと1位は意外なことに新潟県でした!
みなさんが考えた都道府県が入っていましたか。
このランキングを意外に思った方もいるかもしれませんね。
ではなぜ新潟県が1位なのか、その理由について考えてみましょう。
1位の新潟県に神社が多い3つの理由
みなさん、神社が一番多い都道府県はどこか。
もう、わかりましたね。そう、新潟県です。
ランキングを振り返ってみましょう。
<神社の多い都道府県ランキング(2019年)>
第1位:新潟県(4711社)
第2位:兵庫県(3867社)
第3位:福岡県(3419社)
第4位:愛知県(3358社)
第5位:岐阜県(3268社)
(政府統計ポータルサイト「e-Stat」の宗教統計調査より)
さて、このランキングを見て、気がついたことがありませんか?
ヒント、神社の数の数字に注目してみてくださいね。
いろいろ気づいたかもしれませんが、神社が多い都道府県1位は、新潟県の4711社。2位の兵庫県と、約1000社も差があるんです。
なぜ新潟県にこんなに多いの?と思いませんか。
新潟県に神社が多い理由を探ってみましたよ。
新潟県に神社が多い3つの理由
理由1:明治時代、人口が日本一
明治時代、新潟県は人口が日本で一番多い県だったのです。
新潟県の人口は約160万人。次に多いのが兵庫県の約150万人。三番目が、愛知県の140万人。東京都(当時は東京府)は約130万人でした。
日本の米どころとして農業にかかわる人がたくさんいたこと、船が来る港があったことなど、新潟県は人口が増える地理的条件がそろっていたのです。
人口の増加とともに集落の数も増えました。集落とは人が集まって住んでいるところのことです。当時は集落に一つの神社をつくる風習があったということで、新潟に多くの神社がつくられたと考えられています。
理由2:神社の統合が進まなかった
明治政府は増えすぎた神社の数を減らすために、神社の統合を各都道府県に呼びかけました。神社の統合とは、いくつかの神社をまとめることです。
当時の新潟県は他県ほど統合を進めなかったそうです。
この理由については、はっきりとはわかっていません。
でも、新潟は特に米の産地だったため、米の豊作をお願いする神社を大切に思う気持ちが強かったのです。また神社は地域同士の交流の場として大事に考えられていました。そのため、新潟県の人は神社を失いたくなかったことが考えられるそうです。
理由3:さまざまな文化が入りやすかったから
新潟県はさまざまな道が通っていて、船が来る重要な港もありました。人々の行き来がよくあったので、全国各地のさまざまな文化が入りやすいところでした。
異なる文化・信仰を持つ人との交流も生まれ、それにつれてまつる神さまが違う神社の数が増えていったと考えられます。
新潟県ってそうだったの、ちょっとびっくり、と思った方もいるかもしれませんね。
いっしょに少し考えてみましょう
新潟県に神社が多い理由がわかりましたね。ここで、いっしょに少し考えてみましょう。
神社が多い、2位~5位の県はどこでしたか?
2位 兵庫県、3位 福岡県、4位 愛知県でしたね。
さて、みなさんはこれらの県にどんなイメージがありますか。
実は、港町や重要な道があり、昔から栄えていて、人々の交流が多いところでした。
神社が多い都道府県
2位 兵庫県:昔から「港町」として栄えていました。
3位 福岡:大陸への玄関口でした。
4位 愛知:東海道の交流の重要な地域でした。
明治時代に人口が多かった都道府県を見てみます。
明治時代の人口が多い県
1位 新潟県:約160万人
2位 兵庫県:約150万人。
3位 愛知県:約140万人
4位 東京都:約130万人
このように見てみるとどうでしょうか。
神社が多いところは○○の多さと関係があるかもしれません。
さあ、○○に入る言葉は?
はい、そうです!「人口」です。
もう一つ、「人々の交流」も入ります。
2文字じゃなくてごめんなさい。
神社が多いところは人口と人々の交流の多さと関係があるかもしれませんね。
神社は昔から人々の生活と結びつきが強かったといえるのではないでしょうか。
人がいれば神社もたくさん生まれてきた。
神社の数だけ人間と神のドラマがある!と言えるかもしれませんね。
今日は神社の多い都道府県について見てきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた!