こんにちは!カルカルです。
お寺や神社が好きな私がお寺にいったらめちゃくちゃ出くわす光景!
それがおさいせん箱の前で、手をたたいてお参りしている光景。
これを読んでいるあなたもお寺にお参りをして、おさいせん箱の前でつい手を叩いてしまったことのある人はいませんか?
お寺の正しいお参り方法は手をあわせる合掌のみ、お寺で手を叩くのは神社でのお参りの仕方なので間違いなんです。私も子供の頃はお寺と神社の違いがよくわからずに手を叩いてお参りしていたこともありました。ご年配の人でも間違えてしまっている人は少なくないように思います。
神社とお寺って日本人にとって両方ともに身近な存在で、身近であるがゆえその違いってよくわからなくなっているのも事実。
今回は多くの人が間違えやすい「お寺と神社の違い」などをわかりやすく解説していきたいと思います。
神社とは?お寺とは?信仰対象の違い
ここからはじめの一歩!一番最初は神社はどういう場所なのかについて教えたいと思います。まず一番大事なポイントとなる、大前提の部分を理解しましょう!
お寺は「仏教(ぶっきょう)」、神社は「神道(しんとう)」という違う宗教施設です。
つまり信仰の対象が違うのです。
お寺は仏様がまつられ、出家した人が修行する場でもあります。
仏様とは如来、菩薩、明王、天などの種類があり、その仏様を目に見えるかたちに現したものを仏像といいます。お寺の中心には基本的には仏像がまつられます。
一方で神社の信仰の対象は「八百万の神」といって、多様多種な神様がたくさんいます。日本人が大昔から自然と関わりながら生活していく中で、山や岩、海、木、滝などの自然、商売繁盛や学問、人間関係などの活動にも神様が宿っていると考えたことから、さまざまな神様がいるのです。
この考えでいえば、みなさんが使っているお茶碗や鉛筆、その辺に落ちている石なんかも神様がいると言うことができます。世の中神様だらけですね。
ただ、お寺、神社と厳密に分けられているのか、といえばそうでもないのです。奈良・平安時代ころから神仏習合(しんぶつしゅうごう)といって、お寺も神社も仲が良く共存していました。
明治時代の神仏分離令によって区別されるようになりましたが、今でもお寺の境内の中に神社があったり、神社の境内のなかにお寺があるなど混ざっているところもよくあります。
(ちょっと補足)神道の起源について
神道は日本の数ある宗教の中で最も古く、その起源ははっきりしていません。神道は宗教というよりも、古い人々の知恵や考え方を形式化したもののため、一般的な宗教とはだいぶ異なります。日本人の根幹にある考えとも言えるかもしれません。
神道はもともとアミニズム(土着の精霊、自然信仰)にはじまります。アニミズムとは人間、動植物、無生物などすべてのものに霊魂が宿るという考え方。そうして自然や衣食住などを司るありとあらゆる八百万(やおろず)の神様が生まれてきました。
神道の根本の考え方は、 「敬神崇祖(けいしんすうそ)」です。ちょっとむずかしい言葉ですが「神々を敬い先祖を大切にする」という意味です。大自然や祖先や英雄たちをご祭神として祀っているのは感謝の念を捧げるからです。
神社に行き参拝をし、日ごろの感謝の気持ちを神様に伝えるといった心が、神道にとって最も重要なのです。
それでは、ふたつの違いが分かったところで、お寺と神社の中へ入っていきましょう。
お寺の入り口、神社の入り口
お寺の入り口を山門と呼びます。お寺は昔は山の上に建てられることが多かったので、山の門と言うのですね。門の種類はさまざまで八脚門、楼門あたりが一般的な形です。
一方、神社の入り口を鳥居とよび、神様のいる神域と人間がすむ世界とを分ける意味があります。神社の地図記号も鳥居のかたちをしているので、分かりやすいですね。
行った場所がお寺なのか神社なのかを判別する手がかりとしては「鳥居があるかないか」というのはわかりやすいポイントですので、お寺か神社かわからなかった場合は鳥居を見つけてみましょう。基本的には鳥居があれば神社、鳥居がなければお寺です。(厳密には鳥居のあるお寺もあったりするのですが、これを説明しだすと皆さんが混乱する顔が目に浮かんでしまいましたので、今回はパスしたいと思います!)
入り口から入ると、何やら左右から視線を感じます。さて誰でしょうか?
入り口の門番(ボディガード)
入り口を通ると、その両脇にはお寺や神社を守るボディガードのような方が立っています。ここもお寺と神社ではちがいがあります。お寺では仁王、神社では狛犬です。
お寺にある仁王は、上半身が裸の力士像が多いですが、鎧を身にまとった武将像もあります。仁王はペアになっていて、阿形といって口を開けたタイプと吽形という口を閉じているタイプが向かい合って配置されています。けっこう怖い顔をしているので、挟まれるとピリっと身が引き締まる思いがします。
神社の狛犬は、想像上の動物で、角のない獅子と角のある狛犬がペアになっている場合が多いです。神社によっていろいろな顔があるので、よくよく見てみると楽しいですね。
狛犬のルーツを辿ると実は狛犬とは言いますが、もとは獅子であったというのが有力な説です。
遣唐使として中国で見聞してきた人たちが、中国で皇帝のボディーガードをする一対の獅子の像について知りました。それを日本に戻ってきた遣唐使たちが広めそれをきっかけに貴族たちのお屋敷に獅子を置いて守りとするようになったようです。
またこのとき獅子の片方がなぜか犬になったようです。
平安時代に「獅子・狛犬」と呼ばれる置物があり、御簾の押さえとして使われていたという話が「枕草子」に登場してくるのです。この狛犬が神社にいわば守護の役割として置かれるようになったのは、おそらく平安時代以降のことだろうとされています。
皇室で、室内で用いられていたものが、やがて天皇ゆかりの神社にも置かれるようになり、しだいに広まっていったと考えられます。
最初は木で作られる狛犬が多かったようですが、鎌倉時代には石製のものが現れました。今では石像のほうが多い印象です。狛犬も鳥居同様にお寺に置かれているものもありますが、神社の方が通常です。
一般的には基本は”おすわり”したすわった形ですが、変わった姿のものとしてたとえば、天に向かってほえているような姿や玉を捧げ持っている姿があります。自分の子供を従えているものもあります。仲むつまじい姿ですね。
狛犬も阿吽(あうん)
狛犬はメス・オスの一対で配置されていて、口を開けたものと口を結んだものとで対になっています。口を開けているのを阿形、閉じているのを吽形といいます。お寺における仁王像からの呼び方でしょう。狛犬も仏教的に解釈すれば、はじまりを意味する「阿」と、終わりを意味する「吽」の間にも物事のすべてが含まれるということになりますので奥深いですね。
種類も犬ではなく、狼やいのししやねずみが狛犬として置かれた神社がありますが、これはそれぞれの神社の由来、神の使い・眷属との関係によります。
ボディガードに立ち入りを許可されたら、階段や参道などがあり、境内の奥の方に立ち寄るべきメインの建物が待っていますよ。
メインの建物
お寺や神社へお参りするときに人々が目指すのがここ。お寺では「本堂」、神社では「本殿」や「拝殿」です。
「本堂」は、お寺の本尊という最も尊い仏様が安置されている建物で、お寺で一番大切な場所です。そのお寺が大事に考え方、つまり宗派によって祀られている仏像が決まっていることが多いです。浄土宗、浄土真宗であれば阿弥陀如来、真言宗であれば大日如来といった具合です。
神社では、神様のすまいのことを「本殿」といい、その前に「拝殿」という拝むスペースがある場合が多いです。この本殿や拝殿には注連縄がはられており、神様が宿る神聖なものということを表しています。神社では二礼二拍手一礼という作法でお参りします。
神社の本殿の形式は、建物の正面の向きや屋根の形によっていくつかのタイプがあります。
まず、入り口に注目してみましょう。入り口が棟木と平行する面にあるものを平入り、棟木と垂直な面にあるのを妻入りと呼びます。
次に屋根。本殿や拝殿の屋根は2方向に流れる切妻造りが圧倒的に多く、まれに入母屋造りもあります。屋根材はカヤ、檜の樹皮、板などでふかれるのが一般的です。
まれに薄く延ばした銅版が用いられることもありますが、寺院との違いを示すため、瓦を用いることはほとんどありません。
お寺と神社の違いはまだまだあります。実際にお寺や神社に足を運んで違いのポイントを探してみるといろんな発見があると思います。これはその訪問する神社やお寺によっての違いもありますので楽しみは尽きません。
お寺と神社の違いについてのおすすめ本📕
今回の記事が面白いと感じた方、もっと色々知ってみたいと思った方は「ペンブックス4 神社とは何か? お寺とは何か? (Pen BOOKS)」が読みやすく非常にまとまっています。口コミなどの評価も高いのも納得でめちゃくちゃおすすめです!
ポイントまとめ
意外と知られていないお寺と神社についてみてきましたが、以上をまとめると、
・お寺は仏教、神社は神道
・入り口は、お寺が山門、神社が鳥居
・ボディガードはお寺が仁王、神社が狛犬
・重要な建物は、お寺が「本堂」、神社が「本殿」や「拝殿」
違いを知った上で、お寺や神社に行ってみると新たな発見があるかもしれません!