神社のキホン

狛犬とは?阿吽の口で神社に立つかわいい門番!意味や種類を解説

神社といえば、どんなことを思い出しますか?

神様!

鳥居!

 

そうそう!ほらほら、神社の入り口の右側と左側にあるのは・・。

仁王像(におうぞう)!

 

あれ?それはお寺です。

神社ですから・・。

 

狛犬(こまいぬ)!

そう、本日のテーマは「狛犬」です。

 

狛犬って、呼び方が犬なんだから、犬なの?でも、ちょっと違うような・・。

なんの動物だろう?と思ったことはありませんか。

 

知っているようで意外と知らない、狛犬についてご紹介しますね。

狛犬って、いろいろいるんです。おもしろいですよ~。

狛犬の特徴・阿吽で一対

狛犬はその名前から犬なの?でも、ちょっと違うし、なんの動物だろう?と思うかもしれません。

それもそのはずで、想像上(そうぞうじょう)の動物の像なんです。

 

狛犬は神社の入口、あるいは社殿(しゃでん)の正面などに置かれています。

社殿(しゃでん)とは神様をおまつりしている建物のことです。

 

めずらしい例ですが、奈良県の東大寺(とうだいじ)のように、お寺に置かれていることもあります。

 

狛犬は左右2体で1セットになっています。さまざまな種類がありますが、一般的に、こんな違いがあります。

社殿(しゃでん)に向かって

右側:口を開いている「阿形(あぎょう)」、角(つの)がない「獅子(しし)」

左側:口を閉じている「吽形(うんぎょう)」、角(つの)がある「狛犬(こまいぬ)」

「阿形(あぎょう)」と「吽形(うんぎょう)」って、お寺の仁王像(におうぞう)と同じですね。

仏教では「阿(あ)」とは「全ての始まり」、「吽(うん)」とは「全ての終わり」を意味します。つまり、阿吽の一対で「この世の全て」をあらわしているんです。

狛犬って仏教の影響をうけているんですね。

狛犬って実は角がある方のことなんです。

でも、「狛犬」と角のない「獅子」と両方を合わせて「狛犬」と呼ばれています。

2対を狛犬と呼ぶようになったのは江戸時代以降。角のない狛犬が多く作られるようになってきてからといわれています。

 

昭和時代以降に作られた狛犬は、左右ともに角のないものが多いそうです。

 

石で作られた狛犬が多いですが、木製のものもあります。

平安時代のころは屋内に置いていたこともあり、木製なのだそうです。それが、鎌倉時代あたりから外に置かれるようになって、石でできた狛犬が多くなったようです。

【ミニ知識:狛犬はいつ日本に伝えられたの?狛犬の狛ってなに?】

 

じゃ、狛犬はいつ日本に伝えられたの?と思う人もいるでしょう。

 

残念ながら、はっきりしてないんです。でも、インド、中国、朝鮮半島から仏教といっしょに伝わったともいわれています。

 

狛犬の狛(こま)ってなんの意味?と思った人もいるでしょう。

こちらも残念ながら、はっきりしてないんです。

昔の朝鮮半島の高麗(こま)からきたから、高麗犬(こまいぬ)といわれ、それが狛犬になったという説が有力です。さらにそのルーツをさかのぼると古代インドやエジプトにまでさかのぼるとも言われています。

エジプト文化に源流があるかもしれないなんて、古代ロマンを感じますね。

つぎに、狛犬にはどんな役割があるのか見ていきましょう。

狛犬の意味・役割とは?

狛犬は、神社に悪いものが入ってこない様に見張ったり、魔除け(まよけ)の役割があるとされています。

魔除けは悪いものが来ないようにする力のことです。

 

神社のガードマンのような役割ですね。

この役割を考えると、ちょっときびしい表情の狛犬が多いのもわかりますね。

 

でも、神社によって狛犬の表情もいろいろなんですよ。おもしろい感じだったり、笑っていたりするように見える狛犬も。ポーズもおすわりしていたり、逆立ちしていたり、本当にいろいろなんです!

 

そんな狛犬ですが、さらに他の動物の場合もあるから、びっくりです!

狛〇〇・・といっていいのかわかりませんが、ご紹介しますね。

 

狛犬以外にもいろんな種類がいる

神社によっては狛犬ではなく、他の動物の像が置かれている場合もあります。

これはそれぞれの神社の由来、まつられている神様と何らかの縁(えん)のある動物です。

この動物は「神使(しんし)」といわれています。

「神使(しんし)」とは神様のお使いという意味です。

 

狛犬は神社のガードマンのような役割をしていましたよね。

狛〇〇は神様のお使いということが多いので、メッセージのお伝え役といった感じでしょうか。

少し役割が違うかもしれませんね。

 

では、どんな動物が狛〇〇になっているか、見ていきましょう。

みなさんが好きな動物はいるかな?

 

①うさぎ

例:調(つき)神社 <埼玉県>など

うさぎが狛うさぎになっています。

神社の調(つき)の名が、月と同じ読みであるところから、月の動物といわれるうさぎが神の使いとされれています。社殿(しゃでん)にもうさぎがたくさんいて、うさぎ好きに大人気。

 

②サル

例:日枝(ひえ)神社 <東京>

夫婦一対の「神猿(まさる)像」で有名です。

神猿は「まさる」と読み、その音から「勝る」「魔が去る」、また猿(さる)を「えん」と呼んで「縁(えん)を運んできてくれる」ともいわれています。

神社の公式キャラクターの「まさるくん」にもなっています。

③キツネ

例:伏見稲荷大社 (ふしみいなりたいしゃ)<京都府>

全国に3万ある稲荷(いなり)神社の総本宮(そうほんぐう)なので、神社内にはキツネの像がたくさんあります。総本宮(そうほんぐう)とは、全国の神社の中心になる神社のことです。

キツネは稲作・農業の神様である、稲荷伸(いなりのかみ/いなりしん)におつかえしています。

キツネは神様じゃなくて、神様のお使いなんですよ。

伏見稲荷大社のキツネは稲穂(いなほ)、巻物(まきもの)、鍵(かぎ)、玉などをくわえています。

それぞれに意味があって時代によって意味も変わってきたそうです。

伏見稲荷の詳細はこちら

伏見稲荷
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青森の高山稲荷神社にて出会った狐たちの群れ

 

④ネズミ

大豊(おおとよ)神社<京都府>

とてもめずらしい「狛ねずみ」がある神社。京都の人気スポット「哲学(てつがく)の道」にあります。

祭神の大国主命(おおくにぬしのみこと)が、素戔嗚尊(すさのおのみこと)から与えられた試練を、ねずみの助けにより乗りこえたという『古事記』の中の神話から、「狛ねずみ」がいるそうです。

大豊神社は狛ねずみ以外にも色々な動物がいます。

⑤カッパ

若宮(わかみや)神社<愛媛県>

全国でもここだけ!カッパの姿をした狛犬があります。

かつて、この地の殿様がいたずらをしかけたカッパをつかまえます。でも、カッパをゆるして、はなしてあげました。カッパはその恩(おん)をわすれずに毎朝鯛(たい)を一匹ずつこの神社の前に届け続けたという伝説にちなんで作られました。

⑥魚

鬼(き)神社<青森県>

とてもめずらしい狛魚があります。

鬼(おに)の伝説(でんせつ)があり、鬼をまつった神社として知られています。

なぜ狛魚があるのかはわかっていないようです。

 

雪が降った時の狛魚の写真がツイッターで話題になったそうですよ。

「塩焼きみたいになっている」と投稿した鬼神社の狛魚

みなさんが好きな動物はいましたか?

とてもめずらしくて、おもしろいですよね。

狛犬グッズ

かわいい狛犬がほしい」「狛犬のご利益を手に入れたい」と思う方は、楽天やアマゾン、Yahoo!ショッピングなどの通販サイトでお手軽にグッズを手に入れることができます。

ここではその一例についてご紹介します!

最後にまとめてみましょう。

まとめ

狛犬について、まとめてみると・・

・狛犬は犬じゃない。想像上の動物。

・右側:口を開いている「阿形(あぎょう)」、角(つの)がない「獅子(しし)」

 左側:口を閉じている「吽形(うんぎょう)」、角(つの)がある「狛犬(こまいぬ)」

 

・狛犬以外に狛〇〇が置かれている神社がある。

 うさぎ、サル、キツネ、ネズミ、カッパ、魚

神社によって狛犬、狛○○は本当にいろいろですね!

狛〇〇はこの他にも牛、シカ、ネコ、オオカミ、ヘビ・・もいるので、ぜひ、さがしてみてくださいね。

私はかつてシカやカエルにも出会ったことがありました↓

糸島でであったシカさま
ゲロゲロ~

狛犬、狛〇〇はとってもおもしろいので、神社に行くときの楽しみの1つになるのではないでしょうか。神社に行ったらぜひ、狛犬の特徴(とくちょう)に気をつけて、見てみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。ではまた!